浴衣にまつわるあれこれ
だいぶ暑くなり、浴衣が着たくなる季節になってきましたね
今年は花火大会が開催されるところもあるみたいですよ!!
花火を見ると一気に夏を感じられるので楽しみです(^^♪
さて今回この季節にピッタリな浴衣にまつわるあれこれをお話ししていきます♪
そもそもなんで「浴衣」て書くの?
それには歴史を辿っていくと理由がよくわかります。
かつて入浴時に着た湯帷子(ゆかたびら)が次第に入浴後に着られるようになり
浴衣(ゆかた)と呼ばれるようになりました。
また白麻で明衣(めいい)とも言われていました。
江戸時代末期になると武家では湯上りに、手ぬぐいを用いず浴衣を着用して肌を拭いていました。
この頃にはもともと麻だった素材から木綿へとかわり
徳川家斉の入浴には仕立て下ろしの湯帷子を七~八枚用いたという記録があります。
庶民は家のお風呂はもとより銭湯もなかったので
ごくまれにお寺の浴堂を利用させてもらっていたそうです。
その頃は湯帷子を嫌った庶民もいたそうで入浴専用のふんどしや湯文字(腰に巻く布)が生まれています。
こうやって少しずつ入浴時に浴衣を着なくなっていったんでしょうね
元禄になると、色や柄が付けられ始めました。
浮世絵にも浴衣姿の女性の絵が数多く残っていますよね♪
江戸時代になると浴衣姿で食事に出かけたり
粋な柄の浴衣も増えてきたそうです。
湯上りや夕涼みのひと時の着物として広まり
現在では花火大会やお祭りには欠かせない衣装になりましたね( *´艸`)
当時は素肌に着ているものでしたが現代では肌着や裾除けを中に着ましょう
タンクトップでも大丈夫です♪
生地が薄いので中が透けないようにしましょう。
帯には半幅帯が主流ですが名古屋帯を使うと上品なイメージになったり
兵児帯を使うと可愛らしくなったり
浴衣の柄やコーディネートは来月追求するのでお楽しみに(‘◇’)ゞ
浴衣の生地は麻から木綿に変わったと先ほどありましたが
麻と木綿の特徴を調べてみましょう↓
●麻
通気性、吸収性、即乾性にすぐれた素材です。
生地には独特の張りがあり、サラリとした肌触りがあります。
風通しがよいので汗をかきにくく、汗をかいてもすぐ吸い取って乾きます。また水に強く、多くのものは家庭で洗濯できるのも利点です。張りがある反面、シワにもなりやすいのが欠点ですが、このように、夏の着物とするのに最適な特徴を数多く持っています。細い糸で織った上等な麻織物を上布とよびます。
江戸時代に木綿が一般的になるまで、麻は季節を問わず庶民が着ていた素材でした。
●木綿
肌触りが柔らかく、吸収性に富み、水に強く、さらに洗濯に耐える
丈夫さを備えた実用性に富む繊細です。染料にも染まりやすく、様々な色に染められます。
欠点としては、しわになりやすいこと、縮みやすいことなどがあり、着物にした場合、
絹に比べると若干すべりが悪いことがあげられます。
しかし最近ではアイロンいらずの木綿素材の浴衣もでてきているそうです。何度も着たい方にはおすすめです
木綿は室町時代に伝わり、日本の風土に適していたため全国に広まり
江戸時代中期頃には庶民の素材として普及しました。
麻と木綿の違いがおわかりいただけたでしょうか?
特徴としてはよく似ていますが木綿のほうが丈夫で現代でもお手入れがしやすい素材になっています。
振袖や訪問着などは正絹(しょうけん)といって絹100%で作られています。
季節や用途によって着物の素材も色々使われています。
奥が深いですね~
続いて浴衣の素材を説明しましたが浴衣に合わせる帯の説明に移りましょう
浴衣に合わせる帯は一般的に半幅帯を使い「文庫(ぶんこ)」という結び方をします。
こちらをマスターすれば結び方のアレンジで印象を変えて楽しむことができます(≧▽≦)
また柔らかい帯の「兵児帯(へこおび)」もよく使われます♪
もともとは子供や男性用の帯とされていましたが、結びやすさから最近では大人の女性向けの帯もたくさん売られてきています。
半幅帯よりも簡単でかわいらしさがアップするのでお勧めです(#^.^#)
帯・素材・柄などの組み合わせに特に決まりはなく、自由にお好みでコーディネートしてみてください♪
半幅帯と兵児帯は次回結び方を伝授するので要チェックです!!
続いて男性浴衣
男性浴衣にも様々な色柄のものがあります。伝統的な男性のゆかたには、紺や白でしま模様や格子柄、抽象柄、歌舞伎役者にちなんだ模様などを染め出したものが代表的です。プリントのシャツのようなモダンなデザインもあります。好みに合わせて選びましょう♪
帯は「角帯(かくおび)」を「貝の口(かいのくち)」に結ぶのがもっとも一般的です。貝の口の結び方は少々難しく、最近では既に貝の口の形が出来ていてマジックテープで止められる帯なんかも出てきています。固い生地を使った角帯は、キリっと男らしい印象になります。後ろでリボンのように結ぶだけの兵児帯もあり、よりくつろいだ印象になります。
男性のきものは女性と違い、おはしょりがない仕立てになっていますので、着る方の身長に合わせて作ります。また前を合わせるだけなので女性より簡単に着れます。衣紋(えもん)を抜かず(首の後ろの襟部分を首にあてて着る)帯は腰の位置で占めるのがポイント☆
最近の若い男性は細身の方が多いので帯が上がってきてしまわないようにタオルを使ってしっかり補正しましょう!!
続いて浴衣よりもうワンランク上の夏着物として、小千谷縮(おぢやちぢみ)と博多織(はかたおり)もご紹介します!
●小千谷縮
新潟県小千谷地方周辺で、古くから生産されている麻縮(あさちぢみ)。シボとよばれる布面の波状の凹凸が特徴です。模様は主に緯糸で表されます。緯糸に強い撚(よ)りをかけて糊で固定し、織り上げてからぬるま湯に浸けて手もみをすることでシボができ、爽やかな感触の生地になります。国の重要無形文化財指定の小千谷縮は、越後上布と同様に苧麻(ちょま)から糸を手績(てう)みし、地機(じばた)で織られますが、近年では非常に少なくなりました。現在はラミー糸(麻の紡績糸(ぼうせきいと))で織ったものが主流です。色柄が豊富で地風が爽やかなことから、夏の気軽な外出着として人気です。
●博多織
福岡市の博多を中心に生産される織物の総称。代表的な織物である帯地を指すことが多く、特に、独鈷模様(とっこもよう)と、横畝(よこうね)の現れた堅い織り味が特徴である。献上(けんじょう)博多が有名です。献上のほかにも縞や紋織の帯、夏用には、地が紗(しゃ)の紗献上(しゃけんじょう)の帯も作られています。
続いてひめやにて販売している浴衣の反物をご紹介します。
左は紫陽花で右はうさぎ模様です
紫陽花は水色で涼しげですね♪
うさぎも浴衣ではよく見られる柄です。可愛いですね(*^。^*)
こちらの朝顔のお柄、表裏どちらかわかりますか?
反物は表を内にして巻くので筒の部分は裏なんですがしっかり色味が出ていますよね
裏の柄が薄れずはっきりしてるものは着物でいう物がいい証拠なんです!!
大帽子絞り
帽子絞りとは、色が染めこまれないように、芯を入れビニール・竹皮などで帽子の様に覆って糸で巻きつけます。
その帽子の形が大きくなるほど高度な技術を用意ます。その技術を屈指して難度の高い染め分け方を現代に語り継ぐ京都で誕生しました。
こちらは浴衣の中でも高級品です
絹紅梅という素材に染を施したもので、浴衣としてだけではなく、襦袢を重ねて夏の着物としても楽しんでいただけます。
こちらは男性浴衣です。
男性浴衣の説明にもありましたが女性はおはしょりで丈の調整をしますが
男性は対丈で着るので男性こそ身長に合わせて作るのをお勧めします!!
着方もお教えしますので積極的に着てお出かけしましょう(≧▽≦)ノ
いかがだったでしょうか?
夏になると何気なく着ていた浴衣も掘り下げると奥が深いものなんですね
是非お祭りに出かけられた際にはお友達に「なんで浴衣っていうか知ってる?」なんて話題にしてみましょう
それでは来月は浴衣のコーディネートや柄・着方などをご説明します♪
お楽しみに(*^-^*)
※るると季刊NO,37・きもの文化検定公式教本きもの基本一部抜粋